3.耐震強化岸壁の増加

  震災後、耐震設計の考え方として
 @設計震度の見直し
 A柔軟性や粘りのある構造形式の採用
 B地盤の液状化対策
の3点に努めることとされた。
 震災以前、神戸港における耐震岸壁と言えば摩耶埠頭A,B,Cの
3バースのみであった。さらに新たな港湾計画において埋め立て新設
される新港東埠頭の東側(旧新港6突〜8突間南側)の鋼板セル工法
による新規バースに1ヶ所さらには兵庫突堤1/2突間新規埋め立て
バースに2バース増が予定されていた。
 これらが今回の震災によりさらに増加されることになり、新たに
摩耶埠頭2バース、新港東埠頭東部に1バース、ポートアイランドU期
トランパーバースおよびPC13の2バース、六甲アイランドにおいては
RF3,RC2およびRC7の3バース、さらに新規計画の六甲アイランド南
RC11の合計17バースに増加される計画である。
 設計震度は、摩耶埠頭耐震岸壁と同じ0.25であり、その他の
バースについては、これまでの0.15〜0.18を0.20に強化
することになった。

4.復興工事と操船
    (写真 7th-01〜7th-09まで 計9枚)

  神戸港の水域面積は,7,533haと国内主要港湾の中で突出した
広さを誇っている。しかしながら、復興工事期間中はあらゆる種類の
作業船、資材運搬船の運航で広い港内は埋め尽くされ大型コンテナ船
の操船にあたっては、しばしば難渋を極め逆に狭さを痛感した程であった。
 さらに工事が打手替え工法であり、飛び飛びの工事となっていること。
 前後に前出しケーソンがあり、さらにその沖合約30メートルの所には
海底地盤改良のための工事用ブイが入れられており、バースへの
進入角は45度を超えるはめ込み操船を余儀なくされる期間が長期に
及んだ。

                 photoseries7th

photo7th-01

前後が前出し工事中の六甲アイランドコンテナバースRC4に
嵌め込み操船するREESTBORG 9,168GT

photo7th-02

前後が工事中の六甲アイランドRC2に嵌め込み操船する
SEALAND VOYAGER 32,629 GT

photo7th-03

前後が工事中の六甲アイランドコンテナバースRC2に
嵌め込み操船中の とうきょうぶりっじ 17,156GT


photo7th-04

前後が工事中のポートアイランドPC4に嵌め込み操船中の
PRESIDENT MONROE 37,811 GT.前出しケーソンよりさらに
沖合30mのところに前後とも工事用ブイが設置されており進入角45度で
ギリギリまでキープしないと着桟までに長時間を要することになる。


photo7th-05

六甲アイランドRC7に嵌め込み操船、間もなく着桟する
HANNOVER EXPRESS 53,783 GT,LOA295mと長く前後のクリアランス1ビット足らず。


photo7th-06

六甲アイランドRC7に嵌め込まれた CALIFORNIA JUPITER
41,688 GT. 手前のRC6は鋼管杭桟橋工事中


photo7th-07

六甲アイランド西側コンテナバースRC2停泊中の ばんこっくぶりっじ
17,156 GT。手前は前出しケーソン工事中のRC3W


photo7th-08

ポートアイランドPC2より出港回頭中の OOCL FAIR 40,980 GT.
手前のバースPC3は脚の無いガントリークレーンなど
修理クレーンの置き場となっていた。


photo7th-09

ポートアイランドへの唯一の動脈路である大工事中の「神戸大橋」を
かろうじて生かし続けた。新港第3突堤から一時的にバイパスさせた仮設橋

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