はじめに:

 震災発生直後、すべての交通機関が途絶した中で、大阪港での
業務をするかたわら、育ての親、母港神戸港の被害状況をこの目で
確かめられないもどかしさを感ずる毎日が続いた。
 翌月の2月中旬になって通船を半日チャーター可能な日ができた。
 阪急西宮北口駅より神戸港まで片道20数キロ歩いて神戸に出かけ、
通船に乗り込み日が暮れるまで神戸港すべての岸壁の被害状況を
この目で確かめ、写真に撮り残すことができた。

 以来、平成9年5月19日の「平成の開港」式典にて神戸港の
完全復興宣言がなされるまでの2年余り、築港100年の伝統を誇る
神戸港、大自然の脅威により無惨な姿をさらすことになった神戸港が、
どのようにして再建立されてゆくのか。
 また、過去どのような工法で港が造られてきたのか。
 その調査と写真記録を残すことに多くの時間を費やすことになった。 
 
 港湾築造、修復の技法等については全くずぶの素人ではあるが、
港の安全を守る業務の一翼を担う者として何らかのお役に立てる
資料になればと思い、その一部を記録写真中心にまとめさせて
頂きました。

参考資料:
  (1)平成7年2月から平成8年9月までの間の関係先聞き取り
    調査による。
  (2)神戸市港湾局パンフレット「復興ニュース」NO.1〜NO.26
  (3)第三港湾建設局パンフレット「復興へむけて」NO.1〜NO.7
    (4)神戸市港湾整備局編「神戸港復興記録」平成9年5月。

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