2.神戸港の船舶

船の写真 (Part K-1)

2-1  Nedlloyd Dejima
57,327 総トン






オランダ海運の歴史をほこるネドロイド。
姉妹船NEDLLOYD DELFTと並び25年
 の輝かしい歴史を船体全体で表現している。
働く者の汗の臭いのする崇高な仕事美を

  感じ取ることが出来る。残存するコンテナ船の最古参か?1973年建造。大阪湾には

  来なくなった。すでに退役か?長期のお役目ご苦労様!!!


 2−02   OOCL FRONTIER
57,393 GT
 



 



”仕事船”の代表格コンテナ船。1972年建造。姉妹船OOCL FAME 55,576 GTと共に

波 瀾万丈のキャリヤーを持つ。これらの雄姿に”女性名詞”は相応しくない。
   客船や帆船の華麗な美とは異なった”日常の仕事美”は十分に賞賛に値する。
日 本経済、港の台所を縁の下で支え続けてきた仕事船の生き様に最大限の敬意を
表 したい。
 ” 箱船”の何が魅力か?とよく聞かれる。惹き込まれるのは姿、形や色彩ではなく,
汗 を流し泥にまみれて働く人々の心にひびくもの。厳しい人生の軌跡に。。。
海 の人生30余年の航跡に。。。



2−03 CRYSTAL HARMONY 
48,621 GT

 

 

    カリブ海をクルーズの拠点とす る日本郵船系列クリスタルクルーズ会社が米国
  ロスアンゼルスに誕生。その第1船「CRYSTAL HARMONY」が三菱長崎造船所にて
  1990年7月竣工。その年の7月神戸港に初入港してからすでに8年が経過。

 平成10年9月多数のアマチュアカメラマン、客船マニアが見守るなか二度目の
神戸港への入港を迎えた。1昨年(平成8年)大阪港にも寄 港しているが、普段は
カリブ海がクルーズの拠点となっている。



2-4  P&O Nedlloyd Kobe
80,942 G/T



 ピーアンドオーネドロイドの80型第3船「P&O NEDLLOYD KOBE」が同じ

石 川島呉造船所でH10.9竣工。神戸港に初入港した。この巨大な船体を小さな
客 船桟橋に横付けして命名式を行う計画が半年から出ていた。
前 代未聞の素敵な試みである。
    桟橋へのアプローチの安全上の問題を含め、諸問題が解決し、命名式の当日は
多 くの市民と共に神戸市長を迎え、式典が挙行された。土曜、日曜の両日は、
こ の巨大なコンテナ船を一目近くで見ようと多くの市民が集まった。この写真は
週 明けの月曜日の早朝、コンテナ岸壁へ積荷役のため回航離岸時に撮影したものです。



 2-05 HannoverExpress
53,783 G/T



 



      神戸港最東部、第7防波堤 東側からNYKバース(RC-7)に向かうところ。
   バックにうっすらと大阪南港のコスモタワーが入った。コンテナがほとんど載って
  いないのが残念であったが、夕方になるとこのアングルが最も雰囲気の良いのが撮れる。
     釣り人は早朝と夕方に勝負する。私も全く同じ、陽の高い昼間は寝て待てだ。
     釣り人が秘密のポイントを教えたがらないのと同様に、私も光線の方向に応じて
  変える入出港船の撮影場所は、秘密。誰にも教えない。


2-6  Kurama
   57,870 G/T      







1972年建造。黒色船体、モ ノクロ写真が最も似合う船。最近、大阪湾には
  姿を見せないようになったのが残念。 APL61型マザーシップシリーズと並び、
  他に類のない「重厚な」姿にはいつ見ても惚れ惚れするものがある。
  神戸港最東部第7防波堤東端を通過し、バースへのアプローチに入ったところ。  
        六甲アイランド南東端より撮る。 


2-07  Alligator Victory
42,809 G/T
 

  



神戸港復興工事さなかのH8.4.15わが国初の深水深コンテナバースがポート
ア イランド第2期工事で供用開始された。港は沖へ沖へと拡大を続け、コンテナ船等
「仕 事船」が人目に触れることはいよいよ少なくなる。 わが国に寄港する外航船の
わ づか数パーセントがいわゆる”日本が支配している”船です。
      また外航船に乗り組む日本人船員といえば、ここ10数年間で約8万人が海の
職 場を失い、残りのわづか数千人が更なる減少への運命を辿りつつある。
     昨年から国策により、”国際船舶”と認定された船舶に乗り組む日本人船員は、
船 長、機関長の2名だけでよいとされた。やはりコストがTOP PRIORITYになるようだ。
航 海士、機関士など他の乗り組み員は発展途上国船員でよいとの事。
    船の安全確保には最小限度として船長、機関長は必要とのことであるが、
わ が国に於ける海技の伝承あるいは船長、機関長をどのようにして育てるのか
と 云った論議は見られない。
   卓越した技能のベテランは学卒後一夜では育たない。海運先進国がかつて辿った
同 じ道をわが国も今辿りつつある。 資源に恵まれず、将来に亘り貿易立国で
あ り続けねばならない日本の場合、他に選択肢が有るような気がしてならない。



2-08  Asuka
   28,717 G/T




神戸港第4突堤客船桟橋。東側バースでの客船の離着桟ある時は、必ず対岸の
  ポートアイランド北岸に三脚をセットする。山肌にかたどられた神戸市の「市章山」マーク
  及び「錨山」のマークをファインダーのどこかに入れる。
晴 天に恵まれたときの六甲山の山並は実に雄大で逞しく、美しい。
 
  客船は、”海のロマン”や”華やかさ”を備え持っている。
  一般庶民にとっては「高嶺の花」であり、夢の世界にのみ存在する。しかしながら
  この華やかな現場で働く人々は二つの顔を持っている。
     一つはお客様に対し常に絶やさぬにこやかに微笑む顔であるのに対し、
他 の一つには厳しい仕事船の顔がある。
   とくにキャプテン。話題が豊富であること。博識であること。
客 様を退屈にさせない話術にたけていること。
    多勢のVIPが乗船している航海などはキャプテンテーブルを取り囲むVIPとの
ディ ナーを一夜にして3回こなさなければならないときがある。
    まさに重労働そのものであり、ウルトラクラスの体力を要する仕事といえよう。
   加えて港から港への航海の安全のため、厳しい状況下にあっては船橋に於いて
直 接運航の指揮を執らねばならないことが法律でも義務づけられている。
  一般の人々に見えないところでは、華やかなイメージの客船といえどもまさに
” 仕事船”そのものであろう。


2−09   KNUD MAERSK 
81,488GT





獲物を狙う周到な準備。機材の準備、太陽光線の高さ、方角のチェック、
  露出のチェック。待つことしばし。獲物が視野に入る。静かに銃口を向け緊張の高まりを
  意識しつつ弾丸尽きるまで引き金を引き続ける。動く獲物を射止めるのはワンチャンス。
     H8年5月”Kクラス”第1船REGINA MAERSK 81,488GT(LOA 318m,船幅42.8m,
  船横17列積載)が就航開始した時、世間は船体の大きさにあっと驚いた。
  これは第2船、すでに5ヶ月が経ち、眼には慣れたが神戸港第3航路を進入してくる
  偉容にはいつも身震いするほどの興奮をおぼえる。 
     マースクの巨大コンテナ船は神戸港に最も似合っている。



2-10 President Jackson
61,926 G/T


かっての神戸港表玄関口第2航路を入航する本船。不沈戦艦を思わせる
    ”堅牢さ”と”重厚さ”を誇るAPLマザーシップの代表格。第2航路の沖合は神戸沖空港
    建設予定海域であり、現在すでに海底土質調査が開始されている。将来工事の進捗と

    ともに第2航路は小型船専用航路となる運命にある。

         大型コンテナ船は、拡幅予定の第1航路より入航する事となる。
    写真はポートアイランド第2期工事西側護岸上より日出時に撮ったもの。



2-11 Alligator Wisdom
41,114 GT







神戸港深水深コンテナバースから離岸回頭出港中の本船。神戸港の雄大さを撮る
場 所として最も適した場所。ポートアイランド2期工事MOLコンテナターミナル屋上より撮る。
   右奥が現在の神戸港表玄関口第3航路の入口。背景は六甲アイランド。


2-12  Oceanic Challenger
18,468 GT







可愛い息子たち。 ファインダーの中で生命を受け、幾多の試練の後厳しい
選別を受ける。キャビネから四つ切り、そして半切へ。。。わずか1%の子供たちだけが
世間の荒波を乗り切れるまでに成長する。  おまえはもう一人前だ!。
    MOLコンテナターミナル屋上より撮る。船が小さいので思い切って望遠サイドを使った。
    圧縮効果十分。 Kラインターミナル、右奥のマースクラインターミナルが至近に見える。
肉眼で見る六甲アイランドコンテナターミナルは、この写真で見るより2倍ほど遠くに見える。
  小型船の割には迫力を出すことができた。



 

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